勝田車両センター
勝田車両センターは、元は勝田電車区といい、常磐線中距離区間を受け持つ水戸支社が、中距離電車専用の車両基地として開設しました。常磐線の取手以北の中距離電車区間は、石岡市にある磁気観測所に影響を及ぼすため、直流電化ではなく、交流電化されています。そのため、常磐線の中距離電車は交直両用電車で、取手〜藤代間に交直切り替えのデッドセクションがあります。

この車両センターには、交直流電車の先駆けとなった401、403系、特急型の651系、試験車のE491系などが在籍しています。また、唯一の交直流通勤型電車であるE501系が土浦運輸区に在籍しています。

現在、401、403系が40両、411、415系が303両、485系(ジョイフルトレイン、訓練車含む)が20両、E501系が60両、E531系が90両、651系が99両、E653系が72両、E491系が3両の合計687両が在籍しています。車体表記は「水カツ」です。
401系(左)と415系1500番台(右)の運転台の違い
勝田車両センター名物、鋼製車とステンレス車の連結、混結
403、415系
 国鉄時代、交直流電車の先駆けとして登場した車両たちで、近郊型電車のスタイルを確立したと言ってもいい車両である。最初に登場した401系、パワーアップバージョンの403系、415系などがある。

 この401系は日本で初めて3つドアセミクロスシートという近郊型車両の標準型を確立した車両で、最初は153系などと同じ、低運転台と呼ばれるタイプだった。が、途中から現在のような高運転台タイプに変更され、現在の国鉄型近郊型電車の前面の標準型となった。また、60Hz専用だったため、九州に421系という50Hz専用の兄弟車が誕生した。

 403系はモハユニットに組み込まれるパワーアップ型であった。また、その後の415系は、50Hz60Hz共用となった。そのため、九州にも415系が見られる。

 制御方式は403系は153系と同じ平行カルダン制御で、MT46型モーターが用いられていた。415系も抵抗制御となった。そのため、113系などと同じような音がする。

 常磐線では、交直両用区間を走るため車両の用途の問題から、置き換えようの車両は出てこなかった。しかし老朽化が進み、ついにE231系ベースのE531系が登場し、順次置き換えられて行くものと思われる。
 
415系1500番台
415系1900番台

 この車両は、老朽化した401、403系を置き換えるために登場した。もはや別形式にしてもいいくらい415系とは異なっており、鋼鉄製の415系に比べステンレス製で211系をベースにしている。

 当初、制御方式も211系と同じ界磁添加制御にする予定だったが、連結上の問題から、415系と同じ抵抗制御となった。

 現在は、付属編成を中心に活躍している。


 415系1900番台は、増加する沿線住民、顧客の増加に伴い113系のグリーン車をモデルにダブルデッカーにした物である。

 なお、クハ415形はこの1両だけである。(他はみなクハ411形)

 この車両は、2扉のためにラッシュ時には向かず、また吊革などが無いため不便であった。なので編成の中程に連結されていると邪魔になるため、いわき方の先頭に連結されていた。

 が、7月9日のダイヤ改正でついに運用がなくなり、運用を離脱してしまった。